プレゼンをする機会ってみんなあると思って勉強致しましょう!
何か新しいことを提案する場合、特に「プレゼン」という手法で意思決定者にその提案を伝えてもらう場合の苦労は和洋問わず大小問わずに皆さんいろいろと修羅場をくぐり抜けていらっしゃるようで、同じような悩みを抱えだいたい同じような結論に達しているようですね。
Googleで働く開発者のSteve Yegge氏もその一人のようです。前職はamazonであったりする超大手の企業を渡り歩く開発者なんだからすんごい人なんだろうね、わかんないけど。
そういう人でも上位の方へのプレゼンには非常に気を使っていたようです。例えばamazonmの創業者であるジェフ・ベゾス氏へのプレゼンにはものすごい研究を重ねたようですね。
ジェフ・ベゾス氏という人物は、他人のプレゼンにはものすごく厳しく辛辣な言葉を浴びせかけるのに有名な方らしいです、いますよね社内にそんな方は一人ぐらい。また、amazonで大成功しているもんだから、その影響力は半端ないんだろう。
Steve Yegge氏もそれに対して、amazon史上最高のプレゼンにすべく何度となくトライしたようですが、その中で得られたプレゼンに対する考え方がこうです。
ベゾス氏相手のプレゼンを準備する時は、まずはテーマについて知っておくべきことをすべて頭に叩き込みます。それから、問題点とその解決策を文章にします。そのテーマに関する一流の学者や業界のエキスパートを相手にする時と、まったく同じ心づもりで書くのです。
つまり、相手はもうそのテーマについて何でも知っているのだという前提に立つのです。自分よりも豊富な知識があるものと思っておきましょう。プレゼンの中に先駆的で独創的なアイデアが含まれていたとしても、相手にとっては使い古しのアイデアかもしれないと覚悟しておくのです。そして説明文を書く時は、そのテーマに関する世界屈指のエキスパートを相手にしているつもりで。簡潔かつ単刀直入な文体で、余計な解説を交えないようにします。
ここまで来たら、だいたい準備完了です。でも最後の仕上げに、2段落おきに段落1つを丸ごと削除します。
というのも、ベゾス氏はとんでもなく頭が切れるので、プレゼンに「楽しめる」要素がないと退屈しイライラの矛先を向けてきます。私がベゾス氏対策としてまず気をつけたのはこの点です。
(大富豪になる前の)ベゾス氏は、とりあえず「マジでものすごく頭が切れた」。何と言っても、何もないところからAmazonを築き上げた人物です。しかし、ここ何年もの間、ベゾス氏のまわりには大勢の人がいて何から何まで面倒を見てくれているので、ベゾス氏には朝着替えて1日中プレゼンに目を通す以外、何もすることがなくなってしまいました。
ですから、プレゼンの内容を理解することなどお手の物。そして、プレゼンを一目で理解することにかけては天才的と言ってもいい人物にとって「面白いプレゼン」にするためには、いくつかの段落を丸ごと、場合によっては数ページ分の説明を削除する必要があるのです。ベゾス氏は欠けた部分を苦もなく自分で補うことでしょう。こうしておけば、頭の切れるベゾス氏があなたの鈍くささにイラッと来る瞬間を減らせるはずです。
そうなんです。ベゾス氏へプレゼンする時だけでなく、いかなるプレゼンでもこういう風に思ってないと、いつの間にか上から目線やこちらだけわかっている思い込みの沼に足をとられてしまいます。経験あるでしょ?なんだか恥ずかしくなってきた。
続けて
けれども、そんな化け物じみた頭脳の持ち主を相手に、どうやってプレゼンを準備すれば良いのでしょうか? 私のベゾス氏対策の2つ目は、「どっちみち敵わない」と覚悟することでした。プレゼンのテーマについてあらゆる知識を身につけたとしても、そんなものは防衛の第1段階に過ぎません。ほんの数分で突破されてしまいます。ベゾス氏はそのテーマについて、その場でただちに核心を掴むことでしょう。おかげでこっちはいい笑い者にされてしまうのです。
ですから、私には思いもよらなかったことをベゾス氏が思いつくだろうことはわかっていました。それがどんなものかは、私にはわかりません。私があらゆる可能性を考えようとすれば、何週間もかかってしまうでしょうから。何十人もの人にプレゼンの資料を見直してもらいましたが、そんなことは役に立ちません。こっちの盲点を突かれることはわかっていました。ベゾス氏を相手にプレゼンすれば必ずそうなるのですから。
でも、そうなると覚悟しておけば、まったくの不意を突かれることにはなりません。
実際、予想通りの結果になりました。あるときのプレゼンで、私はリストにデータマイニングを入れ忘れてしまったのです。ベゾス氏は単刀直入に「どうしてこのリストにはデータマイニングと機械学習が入ってないのかな?」と尋ねてきました。とても丁寧な態度でした。
私はベゾス氏の顔をまともに見て、笑い出してしまいました。プレゼンの場には副社長たちも同席していて、石のように黙って聞きながら、ベゾス氏がプレゼンに満足したかどうか顔色をうかがっていたのですが、私が笑い出すと彼らの間に衝撃が走りました。
私が笑ったのは嬉しかったからです。あれほど苦労して何週間も準備を進めてきたのに、ベゾス氏はみんなの前で、やっぱり私の不意を突いてくれた。彼の偉大な頭脳を退屈させないよう説明の大部分を削るという荒技も、まったく役に立たなかった。そして私は、みんなの前でまったくの道化を演じることになったのです。恐れ入るしかありませんでした。
それで私は笑いをこらえられなかったのです。そしてこう言いました。「おっしゃるとおりです。なんで入ってないんでしょうね。入れておくべきだったのに。間の抜けた話です。あとで追加しておきましょう」。それを聞いてベゾス氏も笑い、プレゼンを無事に先へと進められました。副社長たちの顔にもようやく笑みが浮かびました。ベゾス氏の顔色をうかがわないと笑顔も作れない副社長たちの態度にはひどくイラつきましたが、それはそれ。首尾は上々でした。
とにかく、努力しないと伝えることさえできないんだ、その努力も生半可では結局その場で駆逐されてしまいます。ベゾス氏という部分を自分のお客様と入れ替えて考えてみると、準備しなければならない案件も以外にスムーズに努力できるようになるかもしれません。
ちなみに、成否関わらずに、今までのプレゼンでこういうガッツポーズはしたことないのね。
引用
lifehachker
手ごわい相手にどうプレゼンするか:Amazon幹部の体験から
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