TPPの本当の目的。

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環太平洋連携協定(TPP)の中で、米国の業界団体などが盛り込むように迫っているのが、TPPに参加する各国政府を、多国籍企業が自由に訴えることができるようにする制度(ISDS)です。

 このISD条項=「Investor(投資家) State(国家)  Dispute(紛争) Settlement(解決)」=「国家と投資家の間の紛争解決手続き」とは、ある国家が自国の公共の利益のために制定した政策によって、海外の投資家が不利益を被った場合には、世界銀行傘下の「国際投資紛争解決センター」という第三者機関に訴えることができる制度です。

 貿易自由化を目的にした多くの2国間・多国間協定では、投資先の国の政策で「不利益を被った」と企業が判断すれば、提訴できる仕組みが盛り込まれています。すでに多くの自由貿易協定(FTA)に盛り込まれ、世界中で「主権を侵害しかねない」と大問題になっていて、毒素条項などと言われています。

 多くの協定で仲裁機関に指定されているのが、国際投資紛争解決センター(ICSID)です。確かに国際協定において紛争解決手続きを前もって決めておくのは重要なのですが、問題はこのワシントンにある紛争解決センターが世界銀行傘下であることです。国際通貨基金=IMFはEU系の国際金融機関ですが、世界銀行はアメリカの支配下にあります。

 現に、これまでにICSIDを使って46件の提訴がありましたが、31件が米国企業が原告で、中には米国企業がカナダとメキシコから多額の賠償金を勝ち取った例がありましたし、逆にISD条項が発令された紛争で米政府が負けたことは一度もありません。アメリカが訴訟上手なうえに、審判がアメリカ寄りなのですから、勝負になりません。

 しかも、この審理は非公開で、不服があっても上訴することができません。そして、地方自治体の規制も、訴訟の対象になります。


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